後悔しない家づくり知識

「広い家が欲しい」は、危険な思い込みかもしれない。家づくりで本当に大切な“広さ”の考え方

家づくりを始めると、多くの人が一度はこう考えます。

「できれば、広い家がいい」

LDKは20畳以上。
子ども部屋もしっかり確保したい。
収納もたっぷり欲しい。
できるなら、少しでも広い土地に、大きな家を建てたい。

もちろん、広い家には魅力があります。

でも、一度立ち止まって考えてみてください。

あなたが本当に欲しいのは、“広い家”でしょうか?

もしかすると「広さ」は、あなたが実現したい暮らしのための「手段」にすぎないのかもしれません。

目次

「広い家が欲しい」の裏側にある、本当の願い

「広いLDKが欲しい」という人に、理由を聞いてみると、その答えは意外と「広さ」ではありません。

「子どもと一緒に過ごせる場所が欲しい」

「家族みんなでリビングに集まれる場所が欲しい」

「人をたくさん招ける家にしたい」

「友人や両親が来ても、窮屈にならない家にしたい」

「家事をラクにしたい」

「洗濯物を干したり、片付けたりするスペースが欲しい」

「物が増えても困らないようにしたい」

「子どもの成長とともに物が増えても、収納に困らない家にしたい」

つまり、「広い家が欲しい」という言葉の中には、

家族との時間を大切にしたい。
暮らしをラクにしたい。
片付いた家で暮らしたい。
人を招ける家にしたい。

という、本当の願いが隠れています。

ここを見落とすと、家づくりの予算配分を間違えてしまいます。

「あと5坪」が、実は大きな選択になる

ここで、少し数字で考えてみましょう。

例えば、30坪の家を「もう少し広くしたい」と35坪にするとします。

5坪は、約10畳。

「たった5坪」と感じるかもしれませんが、10畳分の空間です。

LDKを数畳広げることもできる。
収納を増やすこともできる。
子ども部屋にゆとりを持たせることもできる。

では、その5坪にどれくらいのお金がかかるのでしょうか。

5坪=約10畳。坪80万円なら約400万円

仮に坪単価を80万円として考えると、

5坪 × 80万円 = 400万円。

もちろん、実際の建築費は住宅会社や仕様によって大きく変わるため、これはあくまで考え方の一例です。

でも、「もう少し広くしたい」という一言が、数百万円単位の選択になる可能性がある。

そう考えると、少し見方が変わりませんか?

「広さ」にお金をかけるほど、理想の暮らしに近づく?

もちろん、広い家そのものが悪いわけではありません。

問題は、

「広くすること」と「豊かに暮らすこと」を同じものとして考えてしまうこと。

例えば、LDKを20畳にするために予算を使った結果、

「本当は採用したかったキッチンを諦めた」
「庭にかける予算がなくなった」
「照明やインテリアを妥協した」
「将来のための貯蓄を減らした」

ということも起こります。

その400万円、ほかに使ったら何ができる?

もし「広さ」に使おうとしている400万円を、別の場所に使うとしたら?

庭や外構を充実させる。
家具や照明にこだわる。
家族旅行に使う。
子どもの教育費として残す。
将来のために投資する。

選択肢はたくさんあります。

だからこそ、考えたいのは、

「何坪の家にするか」ではなく、「限られた予算を、どこに配分すると自分たちは一番幸せになれるのか」

ということです。

実は「広さ」より大切なのが、空間の使い方

同じ30坪の家でも、間取りによって暮らし方は大きく変わります。

だからこそ、「何坪の家にするか」だけで考えるのは危険です。

「とりあえず広く」が、予算を圧迫する

家づくりでは、「とりあえず広く」「収納は多いほうが安心」と考えがちです。

でも、そのスペースは本当に毎日使うでしょうか?

来客用の部屋。
大きすぎる子ども部屋。
何を入れるか決まっていない収納。
ほとんど使わない廊下。

「あると安心」という理由だけで面積を増やせば、そこにも建築費がかかります。

さらに、広くなれば冷暖房する空間も増え、掃除やメンテナンスの負担も変わります。

「必要だから広くする」のか、「なんとなく広いほうがいいから広くする」のか。

この違いは、意外と大きいものです。

必要なのは「広さ」ではなく、暮らしの中の“余白”

もちろん、「家を小さくすればいい」という話でもありません。

大切なのは、必要な場所にはしっかり余白をつくり、不要な場所は削ること。

例えば、

「家族4人で食卓を囲む時間を大切にしたい」なら、ダイニングにゆとりを持たせる。

「子どもと庭で遊びたい」なら、家を少しコンパクトにしてお庭に予算を回す。

「家で仕事をしたい」なら、ただLDKを広くするより、集中できる小さな場所をつくる。

面積を増やすのではなく、暮らしに必要な“ゆとり”をつくる。

これが、家づくりで「広さ」を考えるときの大切な視点です。

「広さ」を決める前に、家族で考えてほしい3つのこと

では、実際に家の広さを決めるとき、何を基準にすればいいのでしょうか。

1.その空間で「何をしたい」のか

「20畳のLDKが欲しい」ではなく、

「20畳のLDKで何をしたいのか?」

まで考えてみましょう。

家族で食事をしたいのか。
子どもと遊びたいのか。
友人を招きたいのか。
ソファでゆっくり過ごしたいのか。

目的が明確になれば、本当に必要な広さも変わってきます。

2.10年後、20年後も使う空間なのか

今の家族構成だけで広さを決めるのも注意が必要です。

子どもが成長して家を出たあと、その大きな部屋はどう使うでしょうか?

「今必要」だけではなく、

「将来も使い続けられるか」

まで考えると、家のつくり方は変わります。

3.「家以外」に残したいお金はあるか

ここは特に重要です。

家にお金をかけるほど、家以外に使えるお金は減ります。

旅行、趣味、車、子どもの習い事、教育費、将来の貯蓄。

「大きな家に住むこと」と「豊かに暮らすこと」は、必ずしも同じではありません。

だからこそ、

「家にいくらかけるか」ではなく、「どんな人生に、いくら使いたいか」

から考えることが大切です。

家づくりで決めるべきなのは「何坪」より「どんな暮らし」

「何坪くらいの家が理想ですか?」

そう聞かれたとき、すぐに答えを出す必要はありません。

それよりも先に、

「この家で、どんな時間を過ごしたい?」

を家族で話してみてください。

子どもが小さい今だけでなく、10年後、20年後はどう暮らしていたいのか。

旅行や趣味も楽しみたいのか。
子どもの教育費を優先したいのか。
家族が集まる場所を大切にしたいのか。
家にお金をかけるのか、それとも家の外の暮らしにもお金を残したいのか。

家づくりは、「大きな家を建てること」がゴールではありません。

限られた予算の中で、自分たちが大切にしたい暮らしを、どこまで実現できるか。

その視点に立つと、「広い家が欲しい」という最初の希望も、少し違って見えてくるはずです。

あなたが欲しいのは、「広い家」ではなく「広く感じる暮らし」かもしれない

家の価値は、坪数だけでは決まりません。

大切なのは、広さにいくら払うかではなく、

「その広さによって、どんな暮らしができるようになるのか」

を考えること。

実は、家を広く感じさせる工夫はたくさんあります。

視線の抜けや窓の配置、天井の高さ、家具の置き方、空間のつなげ方など、同じ面積でも「広く感じる家」をつくる方法があります。

だからこそ、

「あと何坪増やすか」ではなく、「今の予算で、どうすれば広く感じる家にできるか」

を考えてみてください。

その答えを見つけるには、プロの視点を借りるのも一つの方法です。

限られた予算の中で、どこにお金をかけ、どこを工夫するか。
家族にとってちょうどいい「広さ」を一緒に考えます。

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BASE編集部

株式会社BASEが運営するメディアチームです。家づくりや暮らしにまつわる情報を、住まいのプロとしての視点で発信しています。取材や記事制作を通して、より多くの方が「自分らしい暮らし」と出会えるよう、実例やヒントをお届けします。

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